AI相棒ノート
記録一覧へ
収益化への挑戦約 13 分で読めます

作った曲をSpotifyやApple Musicに届ける方法——DistroKidで23サービスに一括配信した話(連載第2回)

AIで作った曲を、SpotifyやApple Musicで聴けるようにするにはどうするのか。実は、個人が直接アップロードすることはできません。あいだに『配信代行(ディストリビューター)』というサービスが必要です。第2回は、私が使っている『DistroKid』というサービスで、1回の登録から23の音楽サービスに一括で曲を届けた記録。料金・入稿の手間の少なさ・そしてAI生成曲を出すときの3つの注意点を、正直に書きました。

先に結論:SpotifyやApple Musicには、個人が直接曲をアップロードできません。そこで配信代行(ディストリビューター)の「DistroKid(ディストロキッド)」を使い、1回の登録で23の音楽サービスへ一括で届けました。 曲数は無制限で、いちばん下のプランは年額24.99ドル(2026年10月25日時点)。第1弾アルバムは数営業日で世界に配信されました。ただし、AIで作った曲を出すなら、「AIで作ったことの開示」「年額をやめると配信も止まる」「お金が入るのは2〜3ヶ月遅れ」の3つは、外せない注意点です。 作った曲をどう世に出せばいいか迷っている方の、道案内になればうれしいです。

こんにちは、アイランドネームです。

前回、AIで音楽を作れるサービス「Suno」に登録して有料プランに課金した、という記録を書きました(AIで音楽を作って稼げるのか、Sunoに登録して課金した話)。

その記事の中で、こう書きました。「SpotifyやApple Musicには個人が直接曲をアップロードすることはできません。1回の登録で23のサービスにまとめて届けてくれる仕組みが別にあって、その方法は連載の次回で詳しく書きます」と。

今日は、その回収です。

作った曲を、どうやって世界中の音楽サービスに届けたのか。私の相棒であるAI(Claude Code。いまはFable 5というモデルと組んでいます)と一緒に進めた記録を、正直に書いていきます。以降はこのAIのことを、いつものように「相棒」と呼びます。

そもそもの壁:個人はSpotifyに直接曲を出せません

まず、私自身がつまずいた勘違いから書きます。

曲ができたとき、私はなんとなく、「SpotifyかApple Musicのどこかに、アップロード画面があるんだろう」と思っていました。YouTubeに動画を上げるのと、同じ感覚です。

ところが、探しても、そんな画面はどこにもありません。

調べてわかったのですが、SpotifyやApple Musicといった音楽サービス(業界では「ストア」や「DSP」と呼びます)には、個人が自分で直接曲を持ち込む入り口が、基本的にないのです。

これらのサービスに曲を並べてもらうには、あいだに立って取り次いでくれる業者が必要になります。それが、「配信代行(ディストリビューター)」と呼ばれるサービスです。

イメージとしては、こういうことです。

自分で作った商品を、いろんなお店の棚に置いてもらいたい。でも、一軒一軒のお店と直接交渉するのは大変すぎる。そこで、たくさんのお店とまとめて取引してくれる問屋さんにお願いする。

その問屋さんにあたるのが、配信代行サービスです。

この仕組みを知らないと、「作ったのに、どこにも出せない」で止まってしまいます。私も一瞬、そうなりかけました。

だから、AIで曲を作ってみたい人には、まずこの前提だけでも知っておいてほしいと思います。

曲を作る手段(Sunoなど)と、曲を届ける手段(配信代行)は、まったくの別物です。

なぜDistroKidを選んだのか

配信代行サービスは、世の中にいくつかあります。その中で私が選んだのが、「DistroKid」です。

海外の会社が運営していて、世界中の個人ミュージシャンがよく使っているサービスです。

選んだ理由は、大きく3つあります。

1つめは、1回の登録で、たくさんの音楽サービスに一括で届けてくれること。

私の場合、1回入稿しただけで、SpotifyやApple Music、Amazon Music、YouTube Musicなどを含む23のサービスに、まとめて配信されました。1つずつ手作業で出すことを考えたら、この手軽さは大きいです。

2つめは、曲数が無制限なこと。

何曲出しても、追加料金がかかりません。これから量産して検証していく私のような使い方には、ぴったりでした。

3つめは、料金が年額固定制なこと。

あとで詳しく書きますが、1年分をまとめて払う形で、1曲ごとの手数料がかからない仕組みです。たくさん出す前提だと、この形のほうが分かりやすくて安心でした。

そして実際に第1弾アルバムを入稿してみたところ、DistroKid側の審査を経て、数営業日で世界に配信が始まりました。

自分の作った曲が、いつも自分が使っている音楽サービスの検索に出てくる。この瞬間は、地味ですが、けっこう感動しました。

料金:私が入ったプラン

お金の話は大事なので、DistroKid公式の料金ページと公式ヘルプに出ている内容を、そのまま書きます。下の表は2026年10月25日時点の表示です。料金は変わることがあるので、申し込む前に必ずDistroKid公式の料金ページでご自身で確認してください。

DistroKidのプランは、大きく3つに分かれています。

プラン 年額 アーティスト名の数と、主なちがい
Musician(一番下) 24.99ドル 1つ。曲は無制限に出せます
Musician Plus(真ん中) 44.99ドル 2つ。リリース日の指定や、毎日の再生回数のレポートなどが付きます
Ultimate(一番上) 89.99ドル(基本料金) 5〜100。Musician Plus の機能に、くわしい分析などが付きます

アーティスト名の数は、公式ヘルプのプランごとの機能の表で確かめられます。

私が入ったのは、一番下のMusicianプランです。

まずは検証を始めるだけなので、アーティスト名は「KnoSHIMA 1029」の1つで十分でした。曲数が無制限なら、たくさん作って試すにも足ります。

まずは小さく始めて、必要になったら上げる。パソコンのときと同じ考え方です(40万円超のMacBook Proに買い替えた話にも、この「限界が来てから上げる」考え方を書いています)。

正直な注意も、添えておきます。

年額のプランに含まれるのは、基本的な配信までです。

YouTubeやTikTokの動画で曲が使われたときに知らせて、広告の収入を受け取れるようにする機能や、プランをやめても曲を残し続ける機能などは、別料金の追加オプションです。公式ヘルプでは「Album Extras(アルバム・エクストラ)」という名前で、1つずつ料金が書かれています。

「一番下のプランに入れば全部込み」ではないので、自分に必要な機能があるかは、申し込む前に料金ページで確かめてください。

入稿の手間は、思ったより少なかったです

「海外のサービスに、英語で、曲を登録する」と聞くと、身構えてしまいますよね。私も最初は、そうでした。

でも、やってみると、入れる項目そのものは意外とシンプルでした。

アップロード画面で入れるのは、ざっくりこんな項目です。

  • 音源のファイル(作った曲そのもの)
  • 曲名(英語のアルファベットで入れます。海外の人が検索できるようにするためです)
  • アーティスト名(私の場合は「KnoSHIMA 1029」)
  • ジャケット画像(正方形の画像。曲の「表紙」にあたるものです)
  • 作曲者・作詞者の情報
  • AIで作ったかどうかを申告するチェック(これがとても大事。あとで詳しく書きます)
  • どのストアに配信するか(私は「全部のストア」を選びました)

これらを埋めて送信すると、DistroKidが中身をチェックして、問題なければ各サービスへ配信されていきます。

1曲目は、項目を確認しながらなので少し時間がかかりました。でも、2曲目からは要領がわかって、ぐっと早くなりました。

もう1つ、うれしい仕組みがあります。

DistroKidは配信と一緒に、「Hyperfollow(ハイパーフォロー)」というリンクまとめページを、自動で作ってくれます。

これは、自分の曲が「SpotifyでもApple Musicでも、好きなサービスで聴けますよ」という入り口を、1枚のページにまとめたものです。

SNSやブログで曲を紹介するときに、このページのURLを1つ貼るだけで済むので、とても便利でした。

私の第1弾アルバムのHyperfollowページも、実際に公開しています。「AIで作った曲って、どんな感じ?」と気になる方は、のぞいてみてください。

👉 KnoSHIMA 1029『桃太郎、浦島太郎、かぐや姫への想い』を聴いてみる

大事な注意点3つ(ここを外すと痛い目を見ます)

便利な話ばかりではありません。

特にAIで作った曲を出す場合、知らずにやると危ない落とし穴があります。私が調べて気をつけた注意点を、3つに絞ってお伝えします。

注意点1:AIで作ったことの「開示」は必須です

これが一番大事です。

DistroKidには、入稿画面に「この曲にはAIで生成した部分が含まれます」というチェック項目があります。AIで作った曲を出すなら、ここは必ずチェックを入れます。

なぜか。

隠してこっそり出すと、あとで自動的に見つかったときに、配信が止められたり、それまでに入ったお金を没収されたりするリスクがあるからです。

SpotifyなどのDSP側も、2025年ごろからAI楽曲の開示ルールを整えていて、未開示の曲を迷惑コンテンツとして扱う方向に進んでいます。

私の方針は、シンプルです。

隠さない。AIで作ったことを正直に申告して、正規のルートで配信する。

そのほうが、長い目で見て安全だと考えています。この連載自体、「正直に記録する」がテーマなので、ここでズルをしたら本末転倒です。

注意点2:年額をやめると、配信も止まります

DistroKidは、1年ごとにお金を払い続ける「サブスク型」のサービスです。

ここが買い切りとは違うところで、見落としやすいポイントです。

つまり、年額の支払いをやめると、それまで配信していた曲も、原則としてストアから下ろされてしまいます。

「一度出せば、あとはずっと勝手に残る」わけではありません。問屋さんとの取引を続けているあいだだけ、お店の棚に並べてもらえる、というイメージです。曲を世に出し続けたいなら、毎年の支払いを続ける必要があります。

(プランをやめても曲を残せる「Leave a Legacy(リーブ・ア・レガシー)」という有料オプションもあります。公式ヘルプでは、シングル1曲で29ドル、2曲以上のアルバムで49ドルの1回払いで、残したい作品ごとに必要です〈2026年10月25日時点〉。くわしくは公式ヘルプのAlbum Extrasの説明で確かめられます。基本は「払い続けている間だけ配信される」と考えておくのが安全です。)

注意点3:お金が入るのは、2〜3ヶ月遅れです

最後に、お金の入り方についてです。

音楽サービスで曲が再生されても、その収益がDistroKidに届くまでには、だいたい2〜3ヶ月のタイムラグがあります。今月たくさん再生されても、その数字が見えてくるのは、少し先です。

しかも、稼いだお金を自分の銀行口座に引き出すには、受け取り方法ごとに最低金額や手数料があります。

2026年7月時点、私の管理画面では「銀行振り込みの最低支払い金額は35.20ドル」と表示されていました。日本円で5千円ほどです。

つまり、数円・数十円の段階では、そもそも引き出すことができません。ある程度の額がたまるまでは、DistroKidの中に置かれたままになります。

前回、正直に書いたとおり、私の2ヶ月の前史での収益は約3円でした。この金額では、当然まだ引き出せません。

「配信されたらすぐお金が入ってくる」という甘い話ではないことは、最初に知っておいたほうがいいと思います。

まとめ

長くなったので、今日の話をまとめます。

  • SpotifyやApple Musicには、個人が直接曲をアップロードできません。あいだに立つ「配信代行(ディストリビューター)」というサービスが必要です。
  • 私が使っているのはDistroKid。1回の登録で23のサービスに一括配信、曲数は無制限、料金は年額固定制です。実際に第1弾アルバムを入稿したら、数営業日で世界に配信されました。
  • 料金は2026年10月25日時点で、一番下のプランが年額24.99ドル。私はここから始めました(申し込み前に公式の料金ページで要確認)。
  • AIで作った曲を出すなら、注意点は3つ。①AIで作ったことの開示は必須(隠すと配信停止や収益没収のリスク)②年額をやめると配信も止まる③お金が入るのは2〜3ヶ月遅れで、少額のうちは引き出せない。

作った曲を世界に届けること自体は、思っていたより簡単でした。

むしろ本番は、そこから先です。届けた曲が聴かれるのか、そしてお金になるのか。その正直な数字は、これから連載で追いかけていきます。

そもそも、なぜ私がこうやって収益化に挑戦しているのか。その最初の作戦は、収益化への挑戦、正直な作戦を立てましたに書きました。あわせて読むと、この音楽連載がどこに位置づくのか、見えてくると思います。

次回は、いよいよ「作り方」そのものに踏み込みます。

AIと一緒に、曲をどうやって作っているのか。作詞や曲の雰囲気づくりを、相棒とどう分担しているのか。その舞台裏を、次回そのまま公開します。

※追記(2026年7月17日): この連載で作った曲を、実際に聴ける入り口を並べておきます。配信(サブスクで聴く)と直販(音源ファイルを買い切りで使う)、記事で説明した2つの出口そのものです。どちらもAIと作った曲だと明記したうえで公開しています。

👉 KnoSHIMA 1029 の第1弾アルバムを配信サービスで聴いてみる

👉 BGM素材のBOOTHショップをのぞいてみる

配信を考えているなら、申し込む前に、AIで作ったことを申告する欄と、年額の支払いをやめたときの扱いの二つだけは、確かめておくのが安全です。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また次の記録で。

次に読む