自分の曲に、間違った名前をつけていました——「クラシック」と名乗った時点で負けていた話
作業用BGMのチャンネルが伸びないので、同じジャンルの日本語動画を82本まとめて調べました。「作業用BGM クラシック」で上位に出る10本のうち、本当のクラシックは2本だけ。しかもその2本は誰もが知っている名曲でした。わたしはオリジナル曲に「クラシック」という名前をつけていました。期待されているものと、渡しているものが違っていたわけです。タイトルも説明文も全部つけ直しました。
先に結論:ジャンル名は「説明」ではなく「約束」でした。 わたしは自分のオリジナル曲に「クラシック」という名前をつけていました。その言葉で来る人が期待しているのは、聴いたことのある名曲です。わたしが渡していたのは、知らない曲でした。伸びないのは当たり前でした。
伸びないので、まず数えることにした
作業用BGMのチャンネルを作りました。再生は30回ほどで止まっていました。
前回、英語から日本語に全部作り直した話を書きました。その続きです。日本語にはしたものの、まだ伸びません。
「もっといい曲を作ろう」と考えそうになったのですが、その前に相棒のAIにこう頼みました。
「同じジャンルで実際に伸びている日本語の動画を、まとめて集めてほしい」
条件は、直近6か月に公開・20分を超える長さ・日本語圏・再生数の多い順。6つの検索語で集めて、82本になりました。
自分の感覚ではなく、実際に人が見ているものを数えたかったのです。
「クラシック」で検索した人が求めていたもの
いちばん大きな発見は、ここでした。
「作業用BGM クラシック」で検索して上位に出てくる10本のうち、本当にクラシックだったのは2本だけでした。
残りの8本は、ピアノやヒーリング系の、クラシックではない曲でした。
そして伸びている2本は、どちらも「誰もが知っている名曲」でした。
- 朝に聴きたいショパンとモーツァルトの名曲集:32万7千回
- カノン、G線上のアリア、月の光:31万4千回
- ショパンのピアノ名曲集:14万9千回
ここでようやく分かりました。
「クラシック」という言葉で検索する人は、知っている曲を聴きたいのです。カノンが流れてほしい。月の光が流れてほしい。
わたしが出していたのは、AIで作ったオリジナル曲です。クラシック風ではありますが、誰も知らない曲です。
つまり、こういうことでした。
- タイトルに「クラシック」と書く
- その言葉を見た人が「知っている曲だ」と思ってクリックする
- 流れてくるのは知らない曲
- すぐ閉じる
わたしは自分から、期待を裏切る約束をしていたわけです。
71万回の動画のコメント欄を読んだ
もうひとつやったのが、コメント欄を読むことでした。
自分のチャンネルは再生が30回なので、どんな人が聴いているかのデータが出ません。データが出ないなら、データが出ている人のところを見に行けばいい。そう考えました。
対象にしたのは、71万回再生されている個人のBGM動画です。夜に聴く、ピアノのBGMでした。
コメントを読んで、驚きました。
音楽の話が、ほとんど書かれていないのです。
書かれていたのは、こういうことでした。眠れない夜のこと。仕事のこと。家族のこと。今日あった嫌なこと。この曲を流している間だけ、少し落ち着けるということ。
音の良し悪しではなく、その音を流している自分の時間の話でした。
そして、その告白を引き出している仕掛けも見つかりました。投稿者の固定コメントです。
「よかったら今夜、どんな時間に聴いているかコメントで教えてくださいね」
この一文があるだけで、コメント欄が感想欄ではなく、居場所になっていました。
わたしのチャンネルには、固定コメントすら入れていませんでした。
さらに、自分の曲の説明も間違っていた
ここからは、もっと恥ずかしい話です。
タイトルを直そうとして自分の曲を聴き直したとき、あることに気づきました。
わたしはAIに「ピアノ」と指定して曲を作らせていました。タイトルにも「ピアノ」と書いていました。
ところが実際に流れている曲には、弦楽器が入っていたのです。しかも1曲や2曲ではありませんでした。
聴いていて少しチクチクするというか、落ち着ききらない感じがずっとありました。理由が分かりませんでした。原因は、頼んだものと出てきたものが違っていたことでした。
「ピアノ」と指定したから、ピアノだけの曲ができている。そう思い込んでいて、確かめていませんでした。
AIに何かを頼むとき、こちらが貼ったラベルと、実際に出てきたものは別物です。頭では分かっていたつもりでしたが、自分の作ったものでやられると効きます。
全部つけ直した
やったことは、こうです。
- タイトルから「クラシック」を外した
- 代わりに「静かなピアノ」という言い方に変えた
- 冒頭に「途中広告なし」を置いた(上位の動画がみんなやっていた)
- 説明文を、曲の説明から「どんな時間に聴くものか」の話に書き換えた
- 固定コメントを入れた。どんな時間に聴いているか、聞いてみることにした
- 次に作る曲からは、本当にピアノだけにする
10本ぶん、全部です。
今日わかったこと
ジャンル名は、説明ではなく約束でした。
「クラシック」と書くのは、自分の曲を分類しているつもりでした。実際には、見た人と約束を交わしていたのです。知っている曲が流れますよ、という約束です。守れない約束をしていました。
そしてもうひとつ。伸びないときに最初にやることは、作り直しではなく、数えることでした。
「もっといい曲を作ろう」と思った時点で、わたしは自分の感覚の中に閉じこもるところでした。実際に必要だったのは、外に出て82本を数えることでした。数えたら、直すべき場所は曲ではなくタイトルだと分かりました。
数えるのは、AIがいちばん得意な作業です。
数字
- 調べた日本語のBGM動画:82本
- 「作業用BGM クラシック」上位10本のうち、本当のクラシック:2本
- 伸びている純クラシックの共通点:全部が誰もが知っている名曲
- コメント分析に使った動画:71万回再生
- 自分のチャンネルの再生:30回
- つけ直した動画:10本
結果はまだ出ていません。差し替えたばかりです。数字が動いたら、また正直に書きます。
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今日も読んでいただき、ありがとうございました。また次の記録で。
わたしはエンジニアではありません。
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